会長挨拶

 

 謹啓、皆様に於かれましては御清栄のことと御慶び申し上げます。

 このたび第38回日本Shock学会総会を2024年4月12日(金)、13日(土)にベルサール新宿グランドコンファレンスセンターで開催させて頂くこととなりました。大変光栄に存じます。日本ショック学会は、大変歴史のある学会であり、その目的として、ショックやそこに付随する関連した領域(循環器領域、呼吸領域、感染領域、麻酔科領域、救急領域等)で起こる病態に対する基本的、独創的な研究の推進と最新の基礎的・臨床的研究の発表の場を提供しながら生体侵襲防御をいかに行うべきかという知識を普及して行くことを主眼としております。ことにショックは、大量出血、熱傷、外傷、心原性の要因、感染に伴う敗血症、脊髄損傷、肺梗塞などが起因となって全身の臓器や組織に十分な血液を送ることが出来ない状況に陥り、組織・細胞レベルでの炎症、組織低酸素により多臓器不全や細胞死が惹起され生命が脅かされる状態であります。また、敗血症性ショックのように未だに救命率の高くない複雑な病態も存在しているため多様な症候を包含しており、生体防御を考える上では大変重要な病態となる「ショック」関連領域の研究を推進して病態解明と治療戦略を確立することが望まれております。   

 すなわち、アンメットメディカルニーズの高い病態である循環不全、呼吸不全、DIC、多臓器不全、外傷や敗血症性ショックに対して基礎研究ならびに臨床研究の結果を持ち寄って各病態のメカニズムを解明し、さらには新規治療法の確立に一石を投ずることを学会として目指している貴重な存在と言えます。
 第38回日本Shock学会総会のテーマは「ショックを極める」とさせていただきました。とくに、ショックを誘発する様々な病態メカニズムの中で生体の恒常性維持に重要な役割を担うミトコンドリア機能に着目して議論をしていくことが出来ればと考えております。イブニングセミナーでは、敗血症の分野の第一人者である名古屋大学・松田直之教授から最先端のお話を伺いたいと思います。
 また、特別講演として、スエーデン・ルンド大学ミトコンドリア研究所・准教授Eskil Elmér先生に「血小板ミトコンドリア機能から見た敗血症患者の予後判定」というテーマでお話をいただく予定です。また、札幌医科大学・佐々木裕典先生より「難治性疾患に対する細胞療法の進歩」について、香川大学・黒田康弘先生には、「敗血症関連脳障害における脳循環代謝機能」について講演をお願いしました。シンポジウムとして「ショックと臓器保護を極める」、「敗血症治療最前線」とさせていただきました。招請講演は、東京医科大学微生物学教室・中村茂樹教授にお願いをさせていただきました。

 一般演題につきましても振るって応募をお願いいたします。毎年、かなりのハイレベルな内容の研究が会長賞演題で発表をして頂いております。会長賞受賞者の方は米国Shock学会の参加費が免除となり発表をする権利が与えられるということですので、基礎研究および臨床研究の素晴らしい応募をお待ちしております。学会の活性化に繋がるような皆様の活発な議論をどうぞよろしくお願いいたします。

 12日(金)は、各委員会、イブニングセミナーを行わせて頂き、13日(土)は学会のメインプログラムを「ベルサール新宿グランドコンファレンスセンター」を会場として進めていきたいと考えております。

 皆様のご参加をお待ちしております。

第38回日本Shock学会学術集会 会長
東京医科大学麻酔科学分野 主任教授

内野 博之 







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